拙著『疑惑の作家「門田隆将」と門脇護』を刊行して5年をすぎる(刊行は2021年4月)。

「週刊新潮」出身の“捏造記者”が同誌で仕事を続けにくくなり、独立して仕事をする過程を紹介した内容だったが、やはり「書籍」という媒体の効用はそれなりに生じて、同人の本質は広く世の中に知られる結果となったようだ。

書籍の出版は、即効性は乏しくても、確実に効くという意味では、ボクシングのボディーブロー(腹打ち)に例えられることもある。

本人も独立当初はまじめに仕事をした時期もあったようだが(いや、あったはず)、途中で安易な方向に加担してしまった。

人生において2つの分かれ道の分岐点に立ったときは、むしろ困難と思われるほうの道を選べという鉄則もあるにはあるが、彼の場合は「楽に金儲けできる道」を選んでしまった。

残念なことだ。独立当初の方針を変えず、プロの物書きとしての矜持を持ち続け、スポーツなどの分野に徹していればそれなりにものになった可能性があるが、彼は「ネトウヨ作家」に転身し、日本人はこんなに素晴らしい、日本民族は優秀だ、中国は敵国だといった単純至極なプロパガンダの迷宮に分け入ってしまった。

もう引き戻すこともできないのだろう。

物事の本質を見抜くというのはこの世界では必須の条件の一つと思えるが、彼にはそれが足りなかった。

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