急がば回れ。これは日本の故事の一つだ。また着実な前進とムラのある進み方の違いをうさぎと亀に託して指摘したのがイソップ寓話だ。
ことし1月に結成された中道改革連合は、目前の最大課題の一つである3党合流という第1のカベを控えながら、皇室典範改正法案では高市政権の方針に協力し、参院立憲とは明白に異なる路線を「敢えて」取った。
当然の論理として、3党合流が優先課題であれば、ここは3党でバラバラにならないように配慮したはずだ。
さらには中道が自ら提案した付帯決議に対し、自民党は「ゼロ回答」で返したので、法案に反対するための最大の「理由」を得たようなものだった。
ところがどこまでも与党方針に従うことを求める現中道の姿は、「下駄の雪」「与党に戻りたいだけ」という見方が大きく広がった。
もともと中道改革連合は、そのネーミングのまずさを超えて、高市自民党に対抗する塊と認識した当時の有権者の多くが「鼻をつまんで」(この語はSNS上ではんらんしていた)投票した。
さらに「戦争を止めてくる」との思いをもった層が、これまた1回限りの投票行動として参加した例も多く見受けられた。
もともとの創価学会票が中道に流れた分、政策上の「踏み絵」に反発した立憲支持票の多くが「消失」する結果となった。その差し引きはゼロに近かったと感じる。
そうしたさまざまな要因の中での1000万比例票の結果だったが、このままでいくと、「鼻をつまんで」投票した層のほとんどが離反し、2年後の参院選は「500万票」という指摘もなされる。私はあながち否定しない。
ほんとうに将来の政権交代をめざすのであれば、まずは“味方の陣地”を固めることが何より先決だ。
だがそうした思いをことごとく踏みにじったのが今回の皇室典範騒動だった。
最大の塊を形成する中で「3党合流」を確実に遂行し、次の政権交代への戦いにそなえる。その道程は、いわば亀の戦いだ。
だが高市政権崩壊「後」の政権を想定し、楽な方向に流れる。私にはそれこそウサギの行動様式に思えるが、同政権がいつ倒れるかそもそもわかったものではない。
戦いは亀が勝利し、ウサギは負ける。そうならないことを願うばかりだ。

