戦後日本を長らく牽引したのは「穏健保守」の自民党だった。その理念は1990年代まで引き継がれ、8党派の細川連立政権、ごく短期間の羽田政権、さらに社会党首班の村山政権、自民党の橋本政権、小渕政権まで変わることがなかった。
この国に変化が生じたのは、自民党内の政権交代ともいえる小泉政権に移って以降のことだ。特にその次の第1次安倍政権からあからさまに変化した。
その流れは第2次安倍政権において明確に定着する。それまでの「穏健保守」は隅に追いやられ、かつての「極右」勢力が自らを「保守」と僭称するようになった。この状況は現在も変わらない。
立憲民主と公明による中道路線確立の戦いは、日本の将来を見据え、その流れに棹差す動きであり、この国に安定的な平和をもたらすための行動とも映る。
現在の高市政権は第2次安倍政権から9年かけておこなった安保3文書の改定をわずか4年で覆そうとしている。どれだけ急速な軍事強化路線を進めているか容易に理解いただけよう。
このまま現状の軍事拡大路線を進めば、周辺諸国との軍事的緊張は増す一方であり、いずれ中国と一戦交えるという流れに入りかねない。その流れが見えている人は、高市内閣に深刻な懸念を抱く。
まして物価高に苦しむ国民生活に第一優先で取り組むべき予算編成期に、高市首相は自らの権益を優先させる「衆院解散」に踏み込む決断をした。
政治家は言葉ではなく、行動で評価されるべき職業だ。
同首相は国民の幸福など二の次であり、自分の権力行使しか考えていないレベルにあることをわかりやすく露呈させた。
新党の中道改革連合が今回の衆院選だけでしぼむのか、将来にわたる継続的なうねりになるのかは現時点ではわからない。
ただしはっきりと言えることは、日本の「極右」(現在、保守を称する)に乗っ取られた政治路線を、穏健なものに切り替えなければ、日本は再び滅亡の憂き目に至りかねないという過去の歴史の教訓だ。
その意味で、今回の衆院選は、思想戦の様相をはらむ。
平たくいえば、軍事緊張か、平和路線か。戦争か、平和か。独裁か、国民主権か。
私は立憲・公明の戦いに期待を寄せる。

