まったく異質の組織・団体に意外な共通点を見いだすことがある。先日、2年前に発刊された『独裁が生まれた日』(白水社)を読んでいてそう感じたからだ。

中国駐在の共同通信記者によって書かれた優れたレポートだが、習近平国家主席がかつて過ちを犯した毛沢東を持ち上げ、負の側面の事実を消し去ろうとする歴史修正主義が、日本のある団体とよく似ていると感じたからだ。

共通するのは自らに都合の悪い歴史の修正であり、それはそのまま歴史否定につながる。

一方で、日本の軍国主義思想の“後継”とも目される日本会議も、日本の過去の悪い行動を認めなくないという心情をもつ。

その結果、旧日本軍が日中戦争で行った大量虐殺行為(南京事件)の事実を否定し、さらに日本軍の戦争遂行のために不可欠となった慰安婦の存在を矮小化し、さらには彼女たちは売春婦にすぎなかったなどの言説を振りまき、逆に責任転嫁する始末だ。

そうした歴史否定のあり方がよく似ていると感じられたからだ。

加えて4年前の中国共産党大会で、胡錦涛前総書記が会場外につまみ出される局面があった。

その際、胡錦涛が習近平に短い言葉をかけているが、その内容について次のように指摘する。

「自分でやったことは自分で責任とるんだぞ」

想定されていた最高幹部人事が勝手に書き換えられ、胡錦涛の押していた後継者らの名前が最高指導部のメンバーに入っていないことを知らされた際の、胡錦涛が最後にかけた言葉とされる。

共同通信記者はその話を、胡錦涛の息子から伝え聞いた話として記しているが、有機的な集団指導体制を放棄した現代中国の独裁体制を活写してやまない。

ともあれ、自らの歴史を都合よく修正するのは日本共産党においてもまったく同様だ。過去の歴史を美化・歪曲する行為が、歴史の普遍性に耐えることができないことだけは明らかだ。

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