本日付日経にフィナンシャルタイムズのいつものコメンテーターが記事を書いているが、ことし2月28日に米国とイスラエルがイラン攻撃した際、「戦争が短期で決着するのとの幻想」を抱いていた事実をあらためて指摘している。
その理由は、両国が「自分たちの軍事的優位が圧倒的なため容易に勝利できると信じていた」からと説明する。
これでは2022年のロシアのウクライナ侵攻とまったく変わらないではないか。プーチン大統領も数日で戦闘を終わらせる算段でいた。
遠くは日本政府も同じ過ちを犯したことがある。
1937(昭和12)7月に開始した日中戦争だ。
事実、その年の12月には相手方政府の首都(南京)を陥落させたが、戦争はそれでは終わらなかった。
結局、対米戦争で敗戦する45年8月まで、“無意味”な日中間戦争は延々と続いたからである。
これらの教訓が何を示しているか。
軍事的に圧倒的優位な国が「弱い」とみなされる国に対して“先制攻撃”をしかけても、戦いは決して短期では収束しないという「教訓」である。
むしろ、自らの攻撃に「大義」がなければないほど、自らを不利な立場に追い込み、にっちもさっちもいかなくなる。
実質的に負けるのは、自分ということになるわけだ。
軍事攻撃による何らかの優位性などといった概念は、もはや捨て去るべき時代に入って久しい。
賢い人びとならみな、わかっていることだろう。

