日中戦争の南京陥落から88年の朝だ。
一般にこの日は南京大虐殺とからめて語られることが多い。特に高市政権になって、中国政府は日本がかつての軍国主義時代を反省していない態度を厳しく指摘する傾向がある。
高市首相はもともと日本軍の中国侵略を認めない反知性主義者として知られる。彼女を強力支援するジャーナリストの櫻井よしこも、南京事件はなかったかのように主張するジャーナリストもどきとして有名だ。
いかなる思想信条に立とうと、ジャーナリストの拠ってたつ足元は常にファクトに尽きる。そこを無視して自己主張を強めるのは単なる「活動家」にすぎないだろう。
だがそのような人びとに支えられた高市政権が、中国政府にとって目障りに映るのもよく理解できる。
要するに、中国側は事実に基づけと言っているにすぎない。
その意味で、日本と中国のどちらにつくかといった短絡的な議論より、過去の歴史的経緯を事実に即してどのように捉えているかのほうが実は重要であり、日中の共同基盤はそこからしか生まれない。

