国会で最も大切な仕事は予算を通すことだ。通常の一般会計予算に加え、いまは臨時国会で巨額の補正予算を組む流れがつづいている。
新型コロナ禍以前は3兆円以内に抑えられていた補正予算規模が、ことしはコロナ禍以降最大となる18兆円。だがその中身を精査すると、不必要な品目も多く並べられていて「やっている感」を演出したい高市内閣の思惑を投影した結果と見られている。しかもうち11兆円は借金で賄うツケ回し型だ。
少数与党政権ながら、今回は国民民主が賛成意向を示したことで本日付朝日1面トップは「補正予算 今国会成立へ」と打った。公明党も賛成に回る意向のようだ。
国民民主は高市首相が進めたいスパイ防止法案をすでに独自に国会提出しており、右派寄りの政策が目立つ。昨年の参院選で右派論調の議員が複数誕生しており、引きずられている感は否めない。公明党が落選議員を抱える衆院大阪5区に国民民主が独自候補を立てるのも、同党の独自路線の表れなのだろう。
公明党はこのところつかず離れずのスタンスを維持しているが、基本は高市政権に対しては「反自民」であり、「政治とカネ」の問題を清算できない同政権とは相入れない状況にある。
すでに高市首相自身、巨額の違法献金を指摘されてきたほか、企業団体献金についても正す姿勢は見られない。公明党としては、高市政権には安易に組みできないが、自民党とは決定的な絶縁状態になるのも控えたいといったところに見える。
その点は立憲民主との関係も同様で、完全にどちらかに寄るという方針は取りづらい局面のようだ。
私はこのままの状態で次期衆院選になだれ込むのだろうと見ているが、唯一の例外は、立憲民主など野党勢力が総選挙で過半数を占め、自民党が下野する状態となるときの判断だ。
この局面に至れば、公明党は連立入りし、自民党中心政権では手をつけられなかった「政治とカネ」の問題や、同党政権下では成立しなかった選択的夫婦別姓などの各種人権法案の成立をめざす「時限内閣」に参画する可能性が高い。
そのためには立憲民主に単独でも政権を取るくらいの勢いと気概が見えることが不可欠と思う。

