公示日の各党首の第一声はその選挙を象徴する場面だ。
中道の野田共同代表は「川上戦術」にのっとり、雪に埋まる青森を会場に選んだ。もちろん、こんな時期に解散する首相への当てつけでもある。共同代表は「まず雪国の選挙を体感して肝に銘じないと」と、政治家として最も重要な現場第一主義をリーダー自ら実践した。
野田氏の13分間の演説によると、第一声の会場となった弘前市では通常であれば620カ所にポスターが設置されるが、「97カ所になった」と語った。まるで公平性を意識していない「自分ファースト解散」の象徴のような側面だ。
一方の斉藤代表は公明党が長年議席をもってきた大阪16区(堺市)を第一声の会場に選んだ。もともとこの地から出る予定であった山本香苗元参議院議員が傍らにいたが、比例区候補にまわったため、「山本」の個人名を紹介せず、「この人は中道」と訴え、その後にあいさつに立った山本に「寂しかった」と言わせた。
斉藤共同代表のこの行動は、支持者が個人名を書いて無効票を出さないようにとの固い思いが現れている。
一方で高市首相らは最初から「川上戦術」を無視し、東京のど真ん中である秋葉原を会場に選んだ。「高市辞めろ」と叫ぶ有権者が現れ、ひと悶着あったらしい。
中道改革連合は「第2新進党ではない」と自ら強調するが、私からみると、今回の選挙戦は1995年の参院選を想起させる雰囲気がある。
新進党が行った最初の国政選挙で、予想に反して、同党が自民党を凌駕し、世間をあっといわせた選挙だった(その結果、次の総選挙では自民党が脇を締め直し、逆転する)。
もしも万が一、中道が比較第一党になって政権交代する場合、予算は衆院だけでも通せるので、予算案を大幅に組み替えることを提案する。その点、中道の両政調会長は極めて優秀だ。
さらに参院ではほとんど数がないので、普遍性のあるだれもが賛成できる政策を粛々と実行するしか方法がない。衆院で通したものを参院が否決する場合、否決する参議院議員を国民の前に“浮き彫り”にして世論を味方につける方法しか思いつかない。

