私がルポライター竹中労の集会に初めて参加したのは20歳の冬だった。そのことはここで何度も書いている。
当時、創価学会初代会長牧口常三郎のルポルタージュを同氏は月刊「潮」に連載しており、その集会はルポルタージュ研究会として開催されていた。
話の中で興味深く感じた面も多かったが、一方で同氏の過激なリアル言説に付いて行けない心情がまじったことも事実で、まもなく距離をおく。
それから40年の月日がすぎたが、いま書き手の仕事の姿勢として最も参考になるのは、同氏の書いた『ルポライター事始』である。
そこには真のジャーナリズムを志すものは、権威や権力、金力から離れた立場にいることが必要で、またルポライターというのはそのような職業であるので、ルンペン同然の職業にほかならないといったことが書いてある。
さらに本当のジャーナリズムを実践するには、ハングリーでなければならないといったことも示唆される。
すべてを満たされた状態で、この仕事の本質をまっとうすることは難しい、とは感覚的に実感できる。
さて大事なことは、仕事を形としてその時代時代に遺していくことだ。
やはり人間は、先達の跡を追い、それを追い越そう、応えていこうという性質をもつ生き物と思える。どのような種類の道であれ、「師匠」の存在が重要というのは、本源的な原則であると感じる。

