昨日埼玉県でクルド人の年に1回のお祭りである「ネウロズ」が開かれた。会場となっている荒川河川敷は広大な敷地で、私は専用往復バスに揺られながら北海道のような森林だなあという感慨をもった。以前よく取材で訪れた原生林の茂る帯広などの景色と似通っていたからだ。

会場ではすでに民族音楽とともに色とりどりに華やかに着飾った女性たちの踊りが始まっていた。

会場設営は日本人の感覚でいえば「盆踊り」に近い。やぐらこそないものの、真ん中に踊るスペースがあり、周辺に休憩できるテント。さらに出店がいくつか配置されている。

予定の11時をかなりすぎて式典は始まった。主宰者らのあいさつがつづいたあと、クルド人の裁判を法的に支援する日本側の弁護団長が最後に登壇したころ、会場の一部がざわつきだし、妨害者の来訪を伝えていた。

ヘイト系の県会議員が「視察」と称してとりまきを従えて来訪したが、日頃から外国人ヘイトを売り物にしているせいか、ネウロズ参加者と向き合う局面となる。

この県会議員と、さらに有名な戸田市のヘイト市議とは実際は連携していたようだが、このときはまだかなり離れた場所にいた。

結論としてこの戸田市議は、会場を遠巻きに視察する途中、参加者の一人(現時点ではクルド人と特定されているわけではない)から顔面をはたかれ、その場でうずくまり、救急車で運ばれた。

手を出した側は相手の挑発に乗ってしまったわけで、法的には挑発に乗った側が「負け」となるが、それでも最初から騒動を起こすことを目的とするかのような「自称視察」はそもそも必要か。

いずれにせよこの問題は2~3年前から川口・蕨両市を中心に蓄積されてきた出来事の延長だ。

公明党との関わりでいえば、同党はチーム3000を誇りながら、実際はほとんどクルド人との対話も、調査も行ってこなかった。

政党としての「足腰の弱まり」を露呈させるような結果とも思えるが、そうした現場掌握力の弱さが、国政における政策判断の大きな誤りをもたらし、罪のない多くの外国人家庭を引き裂いたことは報道されているとおりだ。

昨年夏の参院選で「不法対滞在者ゼロプランを立案したのは私です」と誇らしげに何度も語っていた矢倉克夫前参議院議員は、自分の家族が突然離れ離れにされ、一家離散させられないと自分のやったことの意味はわからないのだろう。

同前議員は、いまだ何の自己総括も行っていない。

公明党が本当にダメな政党になってしまったと感じるのは、こういう自浄能力のなさである。

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