人生、還暦をすぎてようやく実感できる人間界の法則がある。
若者は買ってでも苦労を求めよという有名な箴言のことだ。
人生には幾つかの「法則」が明確に存在し、10代20代で地を這うような苦労を重ねれば、後半生においてそれがプラスの価値となった花開くという意味だ。
より平たくいえば、苦労を重ねることによって初めて苦労して生きる者、弱い者の気持ちを自ら体験することになり、それが「人の心を知る」人格を形成することにつながる。
一方で苦労しないで、平々凡々と生きた人生は、その逆になりかねないという人生観である。
ただし苦労も中途半端ではそれ相応の反映しか得られず、苦労に苦労を重ねてこそ初めて得られる境地というべきものがある。
現在の日本の政治家を見ていて如実に感じることは、やはり戦後世代という、戦中世代とは明らかに異なる苦労の経験値の浅さからくるスケール感の小ささというものがある。
頭で考え、心で考えることができにくい弊害とでもいうべきか。
もっと苦労しておけばよかったと60代に入ってから感じる後悔の念は、自身の鍛えが甘かったという反省に基づくものであることが多い。

