フリーライター受難の時代である。すでにこの職業自体が化石化しており、純粋にこの仕事だけで飯を食べられる人は「少数」となった時代である。

私自身の肌感覚でいえば、独立した30年前と、原稿料の相場はほぼ変化していない。

物価高や生活費の上昇という言葉は耳にしても、我々の業界では、ベースアップはほぼ無きに等しい。

さらにインターネット時代の到来により、活字業界自体の裾野が大きく縮んだ。よく引き合いに出されるのは2万数千軒あった日本国内の書店数がいまや1万を大きく割り込んでいる現状だ。

つまりフリーライター業界は仕事のパイの縮小、ベースアップなしの状態が構造的に固定化され、そこで仕事をする者にとっては「窒息」化した状態にある。

プロフェッショナルとして仕事をする場合、たとえば腕のいい建設労働者の場合、1日2~3万円程度は相場だろう。4日間働けば10万前後だ。もちろん雨の日は仕事ができないなどの制約があるので、これくらいでないと家族を養っての生活が持続できない。

一方で知的労働者であるはずのフリーライターは、この水準に遠く及ばない。仮に同一労働同一賃金であれば、社員労働者の退職金などを含めた賃金が加味して計算されるべきで、本来ならフリーランスは「割高」の賃金でなければ、生活自体が不可能となりかねない。

この問題はジェンダー平等の問題が何ら解決しないのと同じくらいの無認識と構造不況の中に埋め込まれている。

私が20歳で最初に出会った大先輩の同業者であった竹中労は、フリーライターは「ルンペン」のような職業と規定していた。

その言葉の意味を“身読”する年代に至ったということになる。

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