公明党の草創期、都議会でし尿処理運搬船に自ら乗り込み調査した結果を政治に反映させた同党議員らのかつての行動はこれまで党内で語り継がれてきた。

現場第一主義が同党の「美風」とされてきた所以である。

だがその「美風」も、長年の国政与党入りで大きく劣化し、もはや砕け散ってしまった状態だ。

私がその兆候を最初に感じたのは、在日クルド人の調査を自ら何も行わないまま、産経レベルのデマ報道に乗せられ、クルド人「弾圧」の行動を取った同党の明白な軌跡である。

大衆の利益よりも、権力側の利益を優先する。

その“逆立ちした姿勢”が、同党内に顕著に表れた現象は、私にとって衝撃だった。

だが問題は「点」ではなかった。すでに「線」であり「面」であり、「全体」を浸食する状態だった。

そのわかりやすい例は、原発の半永久的推進である。

現実問題として、同党は福島原発事故の被害について、まともな「実態調査」を行っていない。

いわば官僚レベルの情報で、間違った国策を元に戻した姿は、上記のクルド人問題となんら変わるところがない。

根底にあるのは調査能力の欠如であり、物事が正しく見えてないがゆえの、権力側の利益のために奉仕する「悪循環」の繰り返しである。

福島原発事故による甲状腺がんの被害実態など、自分の目と耳と足を使って実態調査した国会議員など、同党内に一人でもいるのだろうか。

いないだろう。

権力に溺れ、権力に取り込まれ、流されていくだけの政党。

その根本が正常化されない限り、この政党が今後も“浮遊”しつづけることは間違いないだろう。

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