自分が4~5歳のころ、ある朝、父親が保育園まで車で送ったとき、保育園の前で降りた私がなぜか突然その日は登園したくなくなり、車の周りをグルグルと父親と反対の方向に回り出した。
当然、大人が本気で追いかければ、子どもを捕まえることは造作なかったと思うが、父親は何周かそんな「鬼ごっこ」に付き合わされたあと、観念したのか、「もうよか」といって、その日は2人で自宅に戻った記憶がある。
父親はその日は仕事を休んだはずだった。
ごくまれにそのときの光景を映像のように思い起こす。原因は今頃になっておぼろげながらわかる気がする。
当時保育園に行きたくないという気持ちにさせる理由が何かあったはずだからだ。
子どもが「社会」に接する最初の環境。
その局面において恵まれるか逆になるかは、これもある種の「運」の世界だ。
こんなことを考えるようになったのは、やはり「還暦」を超えているからだろう。

