個人的な話だが、朝はNHK-BSで早めの朝ドラを見ることが多い。そのままつけていたら31年前の地下鉄サリン事件を題材にした「アナザーストーリー」が始まって、しばし見入ってしまった。
あの日の記憶はいまも鮮明だ。
私はある場所で過ごしていた。英会話か何かの勉強のためにラジオを携帯しており、時間のあるときそれを聞いていると、突然、緊急ニュースが飛び込んできた。
心の中がざわざわとした。
地下鉄神谷町駅での様子が時々刻々と流れたと記憶する。
オウム真理教への強制捜査はまもなく始まる。だが宗教への偏見はそのまま政治の世界へと転化された。
当時、自民党を脅かす存在となっていた新進党を叩くため、その中核に位置づけられた公明党の支援団体が、標的となったからだ。
反転のきっかけとなったのが9月1日、東村山という東京の地方都市で、ある女性市議が引き起こした《自殺騒動》だった。
通常なら単なる自殺騒動にすぎなかったが、この時期の社会状況は違った。
自殺を勘繰られたくない同僚市議らが「創価学会に殺された」と空笛を吹き、社会の目をそらそうと躍起となったからだ。
事実の確定もないままに、政敵潰しの道具に転化された流れは、そのまま臨時国会での宗教法人法の改正、創価学会会長の参考人招致に結びつく。
一つの社会的事件が、政治の道具として扱われ、罪のない別の宗教団体に刃が向けられる異様な時代だった。
このとき9月1日のデマ報道でも真っ先に飛び付いたのが、現在「門田隆将」を名乗る門脇護だった。
昨年11月15日、池田名誉会長の3回忌に合わせ、東村山のデマ市議らがシンポジウムを開催した際も、門脇護は登壇している。
異様な流れはいまもつづいているのだ。

